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    水素は簡単に抜けてしまう?

    「水素は分子が小さいから、発生器から吸い込むまでの間にどんどん抜けてしまうのでは?」そういった不安をお持ちの方もおられるのではないでしょうか?
    カニューラを主役に「水素が抜ける?」のテキストを入れた記事用画像を生成中

    結論から言えば 水素ガスはそんな簡単には抜けません。

    ただし、どこで・どのように失われる可能性があるかを正しく知っておくことが大切です。この記事では、PEM電解槽からカニューラで吸入するまでの過程を中心に整理します。

    なぜ「水素は抜けやすい」と言われるのか

    水素(H₂)は最も小さい分子の一つで、他のガスよりも物質の中を拡散しやすい性質があります。また、シリコーンはエラストマーの中でもガスを通しやすい(透過性が高い)素材として知られており、カニューラにも使われます。

    これらは事実ですが、「透過しやすい素材であること」で「発生器から吸入までの間に水素の大部分が失われること」はありません。

    チューブを通る間に水素はどのくらい失われるのか

    チューブ壁を通って外へ出ていくガスの量は、チューブ内外の水素分圧差、透過面積、肉厚、材質などで決まります。一方、実際にどの割合が失われるのかを評価するときは、その透過量を、経路を流れているガスの流量、流速と比べる必要があります。

    • ガスは連続的に流れているため、分子が壁を透過する前に吸入口へ到達します。
    • 損失の割合は、チューブの長さだけでなく、内径・肉厚・流量・流速・圧力・温度・接続部の構造によって変わります。
    • 接続部からの漏れと、チューブ壁を通る透過は別の現象です。

    つまり、「水素分子は小さい」「シリコーンは透過しやすい」という事実だけから、「吸入までの間に水素の大部分が失われる」ことはありません。

    実測で確認されたこと

    弊社では、水素発生器HYDRO PURE(ハイドロピュア)を実際の使用より悪い条件で測定しました。酸素用カニューラ2m、簡易気液分離ボトル、酸素用カニューラ1.6m、合計3.6mの経路とボトルを通した先で、約65分間にわたり質量分析装置で水素濃度を連続測定しています。

    その結果、安定後の水素濃度は99.8%で、発生部付近で想定される濃度との差は0.19ポイントにとどまりました。長い経路とボトルを経由しても、高い水素濃度が維持されていたことになります。

    この実験から分かる通り、ほぼ水素は抜けることなく、カニューラから濃度を維持したまま吐出されます。

    測定の詳細は下記の記事でご紹介しています。

    約65分間の連続測定で水素濃度99.8%を確認|HYDRO PURE実測試験

    「失われ得る」場面を知っておく

    「簡単には抜けない」といっても、水素が失われる可能性が全くないわけではありません。次のような点は、正しい知識として押さえておくとよいでしょう。

    • 接続部の緩みや取り付け状態:チューブ壁を通る透過とは別に、接続部の構造や取り付け状態によってはガスが漏れることがあります。特にカニューラの樹脂部分は余り強度が高くありませんので、クラックが
      入ったりし易い部分です。他にはウォーターコレクタ部の嵌め合いが正常にされていないと、鼻の部分から、ほぼ水素が出ていない状態になります。(途中で漏れている)
    • 高圧の産業用途、水素水とは条件が異なる:「水素は小さな隙間からも漏れやすい」という説明には、高圧の貯蔵や配管を対象にした話が多く含まれます。また、水素水をペットボトルやアルミ缶で長期間保持しようとするのとも吸入は全く違います。

    まとめ

    水素は小さな分子で、シリコーンなどの素材を透過しやすい性質を持っています。しかし、実際にどのくらい失われるかは、流量・流速・経路・材質・接続部などの条件で決まりますが、抜ける量は微量であり「分子が小さいから吸入までの間に大部分が抜けてしまう」とことはありません。

    少なくとも弊社の測定条件では、合計3.6mのカニューラと簡易気液分離ボトルを経由した後でも99.8%の水素濃度が確認され、経路による影響は限定的でした。
    よって、水素はほぼ抜けることなくカニューラで吸入することが可能であると思って頂いて問題ございません。

    他社様の製品で実測していませんので、他の製品でも問題はないと断言はできませんが、一般的に考えると同じような結果になるのではないかと思います。

    本記事について
    本記事は、特定の製品の有効性や安全性を保証するものではありません。測定値は、今回使用した機器・接続方法・測定環境における実測結果であり、すべての環境や条件で同一の結果を保証するものではありません。