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富士ヒルクライムブロンズ獲得へ!

富士ヒルクライムブロンズ獲得へ!科学的根拠に基づいた低酸素トレーニングでパフォーマンスを最大化

皆さん、こんにちは!いよいよヒルクライムシーズンが近づいてきましたね。2025年6月1日には、多くのヒルクライマーが目標とする富士ヒルクライムが開催されます。今回は、富士ヒルクライムでのブロンズ獲得(75分~90分以内でのゴール)を目指す方向けに科学的根拠に基づいた低酸素トレーニングプロトコルをご紹介します。

富士ヒルクライムの難しさ:高地での戦い

富士ヒルクライムは、距離24km、平均勾配5.2%のコースで、標高1405m(1合目)から2400m(ゴール地点)まで駆け上がります。標高が上がるにつれて酸素濃度は低下し、ゴール地点では平地の約75%まで酸素濃度が低下します。これは、平地と同じように運動していては、パフォーマンスが低下してしまうことを意味します。

  • 1合目:標高1405m 酸素濃度約89%
  • 2合目:標高1596m 酸素濃度約83%
  • 3合目:標高1786m 酸素濃度約81%
  • 4合目:標高2045m 酸素濃度約79%
  • ゴール地点:標高2400m 酸素濃度約75%

このような高地でのレースでは、酸素不足によるパフォーマンス低下を防ぐための対策が不可欠です。そこで有効となるのが、低酸素トレーニングです。

なぜ低酸素トレーニングが有効なのか?

低酸素トレーニングは、少ない酸素環境下で運動することで、身体が酸素を効率的に利用する能力を高めるトレーニング方法です。高地環境下でのレースでは、まさにこの能力が重要になります。

低酸素トレーニングによって期待できる効果は以下の通りです。

  1. 酸素運搬能力の向上: 赤血球の増加や毛細血管の発達が期待でき、筋肉への酸素供給量を増やせる可能性がある。
  2. ミトコンドリア機能の向上: 細胞内のエネルギー工場であるミトコンドリアの活動が活発になり、エネルギー効率が向上が期待できる。
  3. 乳酸耐性の向上: 高強度運動時に発生する乳酸に対する耐性が高まり、より長く高い強度で運動を続けられるようになります。

これらの効果は、富士ヒルクライムのような高地でのレースで、パフォーマンスを大幅に向上させる可能性があります。

科学的根拠に基づいた低酸素トレーニングプロトコル

今回ご紹介するトレーニングプロトコルは、最新の研究論文に基づき、効果が実証されているものを採用しています。

プロトコルの概要

  • 目標: 富士ヒルクライムブロンズ獲得(75分~90分以内でのゴール)
  • 期間: 1ヶ月
  • 焦点: FTP(Functional Threshold Power)の向上、Vo2MAXの向上、高地環境への適応
  • トレーニング内容: 低酸素環境下でのインターバルトレーニング、持続的トレーニング、回復トレーニング

1ヶ月間のトレーニングプロトコル(1日単位)

低酸素環境は、低酸素ルームや低酸素テント、低酸素マスクなどを用いて再現します。ご自身の環境に合わせてトレーニングを行いましょう。

曜日 トレーニング内容 強度 時間 回数 備考
1週目 低酸素環境下での回復走 60分 1 疲労回復を目的とした軽い運動

低酸素環境下でのインターバルトレーニング(4分×5回) 高(VO2MAX) 4分 5 インターバル間には同程度の休憩時間を入れる

低酸素環境下での持続走 90分 1 安定したペースで長時間走行

休息 - - - 完全休養日

低酸素環境下での回復走 60分 1 疲労回復を目的とした軽い運動

低酸素環境下でのFTPトレーニング(20分×2回) 中~高 20分 2 インターバル間には10分程度の休憩時間を入れる

休息 - - - 完全休養日
2週目 低酸素環境下での回復走 60分 1 疲労回復を目的とした軽い運動

低酸素環境下でのインターバルトレーニング(4分×6回) 高(VO2MAX) 4分 6 インターバル間には同程度の休憩時間を入れる

低酸素環境下での持続走 100分 1 安定したペースで長時間走行

休息 - - - 完全休養日

低酸素環境下での回復走 60分 1 疲労回復を目的とした軽い運動

低酸素環境下でのFTPトレーニング(20分×3回) 中~高 20分 3 インターバル間には10分程度の休憩時間を入れる

低酸素環境下でのインターバルトレーニング(4分×5回) 高(VO2MAX) 4分 5 インターバル間には同程度の休憩時間を入れる
3週目 低酸素環境下での回復走 60分 1 疲労回復を目的とした軽い運動

低酸素環境下でのインターバルトレーニング(4分×7回) 高(VO2MAX) 4分 7 インターバル間には同程度の休憩時間を入れる

低酸素環境下での持続走 100分 1 安定したペースで長時間走行

休息 - - - 完全休養日

低酸素環境下での回復走 60分 1 疲労回復を目的とした軽い運動

低酸素環境下でのFTPトレーニング(20分×3回) 中~高 20分 3 インターバル間には10分程度の休憩時間を入れる

低酸素環境下でのインターバルトレーニング(4分×6回) 高(VO2MAX) 4分 6 インターバル間には同程度の休憩時間を入れる
4週目 低酸素環境下での回復走 60分 1 疲労回復を目的とした軽い運動

低酸素環境下でのインターバルトレーニング(4分×6回) 高(VO2MAX) 4分 6 インターバル間には同程度の休憩時間を入れる

低酸素環境下での持続走 90分 1 安定したペースで長時間走行

休息 - - - 完全休養日

低酸素環境下での回復走 60分 1 疲労回復を目的とした軽い運動

低酸素環境下でのFTPトレーニング(20分×2回) 中~高 20分 2 インターバル間には10分程度の休憩時間を入れる

休息 - - - 完全休養日

毎日 就寝前低酸素暴露 - 20分 1 就寝前に20分間低酸素環境に身を置くことで回復を促します。

トレーニング強度について

  • 低強度: 楽に会話ができる程度の運動強度。SpO2 90~95%程度。
  • 中強度: 呼吸が少し早くなる程度の運動強度。SpO2 90~95%程度。
  • 高強度(VO2MAX): 息が上がり、会話が困難になる程度の運動強度。SpO2 85~93%程度。
  • 中~高強度: FTP付近の強度。SpO2 90~95%程度
  • SpO2は目安です。

論文紹介

このプロトコルは、以下の論文で示された知見を参考に作成しました。

  • 「Intermittent Hypoxic Training for Improving Endurance Performance: A Systematic Review and Meta-Analysis」
    • 間欠的低酸素トレーニングが、持久力パフォーマンス向上に有効であることを示しています。
  • 「Effects of Hypoxic Training on VO2max and Endurance Performance: A Meta-Analysis」
    • 低酸素トレーニングがVO2max(最大酸素摂取量)を向上させる効果をまとめた論文です。
  • 「The Science and Application of Hypoxic Training: A Review」
    • 低酸素トレーニングの科学的根拠とトレーニングへの応用について解説した論文です。

回復プロトコルについて

就寝前の20分間の低酸素暴露は、睡眠中の回復を促進する効果が期待できます。低酸素環境下では、筋肉の修復や疲労回復を助けると言われています。

低酸素トレーニングのメリット:時間の有効活用

低酸素トレーニングは、通常のトレーニングにプラスして行うことができますし、仕事で夜間に走る時間が取れない日でも、自宅で効果的なトレーニングが可能です。低酸素環境を利用することで、短時間で高いトレーニング効果を得ることができます。

まとめ

ヒルクライム初級者の方が富士ヒルクライムでのブロンズ獲得は決して容易ではありませんが、科学的根拠に基づいた低酸素トレーニングを計画的に行うことで、達成に大きく近づくことができます。ぜひ、このプロトコルを参考に、目標達成に向けてトレーニングに取り組んでみてください。富士ヒル開催まで少し期間がありますので、それまでに一度低酸素トレーニングを試してみてください。

皆さんの健闘を心より応援しています!

補足:

  • トレーニング頻度や強度、回数は、年齢、個人の体力レベルや経験に応じて調整してください。
  • トレーニング中は、水分補給をこまめに行いましょう。
  • トレーニングの効果を最大限に引き出すために、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。
  • トレーニングと回復は1セットで考えてください。回復を怠ると強くなれませんので注意しましょう。

 

このブログ記事が、あなたのブロンズ獲得の一助となれば幸いです。

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